大企業から中小企業の商社への転職を考えるときには、まずあなたが中小企業で活躍できないタイプに当てはまっていないかを確認しましょう。
優秀な人はどこでも活躍できますが、大企業から中小企業へ転職するときは、中小企業でも通用する考え方ができるかが重要です。
今回は、大企業から中小企業に転職して活躍できないとされる5つの考え方と対策を紹介します。
中小企業の転職しても活躍できない5つのタイプ

- 大企業志向が強い
- 分業化に慣れている
- 自主性が低い
- コミュニケーションが苦手
- 環境の変化に弱い
「自分は大企業で働いていたから、中小企業の人たちに負けるわけがない」と思っていませんか?
たしかに、大企業に就職できるだけの学歴や知識を持っていることは素晴らしいことです。人生で一度、本気で努力や挑戦をした経験があることも強みです。
しかし、大企業から中小企業に転職してもうまくいかないケースは多くあります。
大企業と中小企業では、働い方や求められるスキルが異なる部分があります。大企業で通用した方法が中小企業でもそのまま通用するわけではないので注意が必要です。
大企業から中小企業に転職してもうまくいかない5つのタイプに当てはまっていないか確認していきましょう。
1. 大企業志向が強い人
- 安定志向で大企業のブランドを重視する
- 大企業で働いた過去で優位性を示したい
大企業志向が強い人が中小企業に転職して成功するためには、大企業で働いていたプライドを捨てることが必要になります。
安定志向やブランド志向を一度見直しましょう。
中小企業では、意思決定のスピードがはやく、変化に対応できる柔軟さも求められます。
対策:大企業志向から脱却する
大企業では社員ひとりの影響は大きくないですが、中小企業では社員ひとりの影響が大きいので、あなたが真剣に取り組めば、会社全体に影響を与えることができるようになります。
上司や経営陣との距離も近く、直接的なコミュニケーションが取りやすいので、いつまでも大企業出身とマウントを取ろうとせず、一生懸命仕事に取り組みましょう。
具体的なアクション
- 中小企業の特性を学ぶ
- 継続的な学習とスキルアップ
- 異なる業務やプロジェクトに積極的に参加
- 変化をポジティブにとらえる思考になる
- フィードバックを積極的に活用する
中小企業について学ぶときには、積極的に行動することが大事です。
中小企業での戦い方をよく知っている上司や先輩から仕事のフィードバックをもらうことで、自分の行動や考え方を改善するヒントをつかみましょう。
大手企業のように仕事が細分化されていないため、幅広い業務ができることが強みになります。
2. 分業化に慣れている人
- 専門分野に特化している
- 専門知識がすべて
分業化に慣れている人が中小企業で成功するためには、専門分野だけでなく、幅広い業務に対応できるスキルと柔軟性を身につけることが求められます。積極的に新しい挑戦を続けることで、中小企業でも活躍できるようになります。
対策:浅くてもいいので幅広い業務の知識をもっておく
中小企業で働く場合、営業は営業の仕事だけをしていればいいわけではありません。大企業とは違い、マーケテイングや内勤業務、物流業務までも営業が担当している場合もあります。
大企業から中小企業に転職した直後は、専門分野に特化するよりも幅広い知識を習得することに注力することが大切です。
具体的なアクション
- 自己評価とギャップ分析
- ギャップを埋める学習計画
- 実践できる業務やプロジェクトに参加
- 中小企業の成功者から学ぶ
仕事の役割分担が細分化されている大企業から中小企業に転職をすると、なんでも自分でやらないといけないことに気づきます。
もちろん、中小企業であっても、企業の成長とともに、役割分担を明確にしていく流れがあります。大企業は仕事の役割分担を決めている仕組みがありますが、中小企業はあなたが仕組みを作っていくことになります。
大企業から中小企業に転職したら、あなた自身の自己評価をして、求められている人物像とのギャップを把握しましょう。
3. 自主性が低い人
- 指示待ちをしている
- 今やっていることを完璧にこなそうとする
大企業では、与えられる専門性のある仕事をこなすことで成功の道筋が見えていても、中小企業では自主的に行動する習慣がないと仕事がマンネリ化してしまうので注意が必要です。
中小企業の場合、大口取引先や付き合いの長い取引先に依存していることも多く、自ら課題を見つけ積極的に取り組まないと、なんとなく毎日を過ごせてしまいます。
「景気が悪いから予算がいかない」なんてことを堂々と言えてしまうようでは、中小企業で成功するのは難しくなります。
仕事に対し課題を見つけ積極的に取り組むからこそ、自分の意見やアイデアが洗練されて高いパフォーマンスを発揮できるようになります。
対策:発言することを意識する
自主性が低い状態では、大企業から転職してきたあなたを信頼する人はいなくなります。
大企業にいた過去のマウントをとるのではなく、今のあなたが転職組の新人として気づいたことをシェアする感覚で発言しましょう。
あなたの発言で、まわりが気づいて会社がいい方向に向かっていくのが理想です。
具体的なアクション
- 職場の小さなプロジェクト(QCサークル活動)で積極的に発言したり行動する
- 上司や同僚からのフィードバックから自分の改善点を把握し次の行動に活かす
- 定期的に自分のアイデアをまとめて上司やチームメンバーに共有する
大企業から中小企業に転職したら、まずは自分から動くことを覚えることが大切です。QCサークルや業務改善ミーティングなど積極的に参加してみましょう。
上司や同僚にフィードバックをもらうことで改善点が見えてくることもあります。定期的に自分のアイデアをまとめてメンバーに共有していくことで、まわりに影響を与えるぐらいの自主性を見せることが大切です。
4. コミュニケーションが苦手な人
- 他部署の人と仕事内容の共有の仕方がわからない
- 専門的な仕事を黙々とこなしたい
中小企業では上司や他部署との距離が近いため、専門的な仕事だけをやっていても仕事がうまくいかないことがあります。
中小企業は、事業部や業種ごとにきちんと役割分担ができていないことやルールが整備されていないことも多く、仕事ができる人に仕事が集中したり、仕事を進めている人以外仕事の内容がわからない属人化している仕事も多くあります。
機械的に仕事の引き継ぎや業務間の引き渡しができない分、コミュニケーションに頼らないといけない部分が多くあります。
中小企業では、実践的なコミュニケーション能力を身につけることで、チームの一員として成果を上げやすくなるのです。
対策:指導員の先輩や上司とのコミュニケーションから始める
どれだけ大企業で経験があったとしても、新しい会社に入れば新人です。
あなたに会社のことをいろいろ教えてくれる指導員や直属の上司は、あなたにとってコミュニケーションをとりやすい人たちです。
まずは、仕事でかかわりのある人たちとのコミュニケーションから始めることが大切です。間違っても、八方美人を目指してはいけません。
具体的なアクション
- 自分の業務以外にもかかわる
- 社内交流に参加する
- 言語コミュニケーションを重視する
コミュニケーションといっても、家族やお友だちのコミュニケーションとビジネス上のコミュニケーションは同じではありません。上司や同僚であっても、ビジネスパートナーとしてのコミュニケーションをとることが大切です。
中小企業は、人数に余力がない会社も多く、仕事をまわすことだけでも大変です。「これは自分の仕事じゃない」とみんなが自分の仕事だけをしなくなると、仕事が円滑に進まなくなります。独りよがりにならないように注意しましょう。
コミュニケーションとは知識のマウントをとることではありません。阿吽の呼吸(あうんのこきゅう)ではなく、できるだけわかりやすい言葉を選び、相手に伝えることが大切です。
5. 環境の変化に対応できない人
- 昨日と同じ仕事だけをやりたい
- 予測可能でリスクの少ない仕事だけを選びたい
大企業から中小企業に転職すると、環境の変化がはやいことに気づきます。中小企業では、環境の変化に適応していく力が重要です。
安定していた大企業での感覚を捨て、変化とはチャンスであると考えるようにしましょう。
対策:10年後同じ給料で同じ仕事をしていたいかを真剣に考える
環境の変化に対応できない人は、楽だからという理由で現状を守ることに必死です。
あなたのまわりの経験年数が長い先輩を見てみましょう。波風を立てず、自分の仕事を抱え込み、新しい仕事は受け入れないことが当たり前になっているはずです。
毎年昇給もあるし、年2回ボーナスもあるなら、同じ仕事を繰り返すだけのルーチンワークにする方が楽だからです。
でも、冷静に考えてみてください。
全員が同じ仕事だけをして現状維持ができたとしても、10年後にあなたの待遇は上がるでしょうか。実際は、同じ仕事をしているだけでは現状維持をするのも難しく10年後には給料は下がると考えるのが自然です。
もし、同じ仕事しかしていないのに給料が増え続けているなら、あなた以外の誰かが真剣に仕事をしているのでしょう。
あなたは中小企業で役立たずのお荷物になりたくて転職するのではなく、活躍するために転職を決意したはずです。真剣に取り組みましょう。
具体的なアクション
- ポジティブ思考を身につける
- 柔軟な思考を意識する
- ストレス管理をする
- 異なる業務にかかわる
環境の変化に対応できないのは、変化することが怖いからです。
ポジティブ思考と柔軟な思考をもつことで、環境の変化は停滞している状態から脱却する機会(チャンス)だと気づくようになります。
もちろん、新しいことに挑戦するのは負荷もかかりますから、自分のストレスの状態を把握しておくことで安心して仕事に取り組むことができます。
【まとめ】大企業から中小企業に転職するときの対策

大企業から中小企業への転職を成功させるためには、大企業での常識を捨てることが大切です。大企業に比べ、あなたという個人の存在が会社への影響を与えるのが中小企業です。
大企業での経験に固執し、安定やブランドを重視してしまえば、中小企業の意思決定や変化の速度についていくことは難しくなります。
専門分野に特化しているのはあくまで「プラスアルファ」のスキルです。
大企業から中小企業に転職するなら、自分の任されている仕事にかかわる部署にも興味を持ち、大企業にいたことでマウントを取らずにコミュニケーションにも力を入れることが大切です。
